「メッセージ」

SFに禅の教えを強引にフューチャー!ツッコミどころも含めて大いに楽しみました。

エイリアンの言語を解読するために言語学者(エイミー・アダムス)と数学者(ジェレミー・レナー)が駆り出される設定が新鮮。未開の地でフィールドワークをする人類学者みたいに、具体的な名詞から始めて、簡単な動詞、抽象的な概念を表す言葉を採集して、簡単な辞書をつくり、そこからようやく対話が始まる。じつにまどろっこしい。地球にやってくるほどの高度な文明を持つ生命体なら、人間とのコミュニケーションぐらい楽勝なのでは?とつっこみたくなる(笑)。でもそれじゃあダメなんですよ。人間には修業が必要なんですね。

だから、このタコとイカの中間みたいなエイリアンは、自家製の墨でもって禅の円相図みたいな文字を書いて、これを解読させるわけです。この文字を学ぶことによって言語学者の意識は変容を起こし、エイリアン脳をゲット。文字通りの「異能」でもって地球を救うのだ。

ご都合主義やミスリードしすぎなところもあるものの、言語学者の娘や別れた夫とのエピソードなど、それまで感じていた違和感の数々が一気に解消されてスッキリ!もはや悟りの境地に達した言語学者が最後に下す決断も清々しい。

正統なSF大作を期待すると外されるが、このユニークさは一見の価値あり。地味で上質な映像と不気味な音楽も不穏な雰囲気を盛り上げてよかった。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ「渦」や「複製された男」みたいにあからさまに変な作品好きなのだが、「灼熱の魂」や「プリズナーズ」はエグさが気になる。本作は前者の系列に入れたい。こうなると「ブレードランナー」や「砂の惑星」のリメイクも楽しみだ。

「灼熱の魂」

http://SNS.jp/view_diary.pl?id=1806293750&owner_id=3700229

プリズナーズ

http://SNS.jp/view_diary.pl?owner_id=3700229&id=1927987469

「複製された男」

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